青年等の就農促進の問題と
農業普及事業の国から地方への流れについて

平成16年4月14日(水曜日) 農林水産委員会

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高木委員長 次に、松野博一君。
松野(博)委員 自由民主党の松野博一でございます。参考人の皆様、御苦労さまでございます。
 私は、青年等の就農促進の問題と、農業普及事業の国から地方への流れ、この二点に関して質問させていただきたいと思います。
 まず、中村参考人に、特に青年層の就農促進の問題についてお伺いをさせていただきたいというふうに思いますが、まさにこの担い手の問題というのが日本農業が抱える最大の問題であります。この担い手の問題の中にあって特に重要なポイントというのが、新規営農者の参入が少ないということであります。
 新規の農業への参入が少ないという大きな原因として、今までの時代の流れの中にあって農業が非常に厳しかった、これは収入面もありますし、若者層のライフスタイルや志向と農業がなかなか合致をしてこなかったという点もあると思います。
 これは非常に大きい問題であると思いますが、一方で、農業に従事したくても農業従事者になれない、こういう壁があったこともやはり事実であろうというふうに思います。いわば、農家に生まれなければ農家になれない、家族産業、世襲産業になってしまっていたという側面も否定できないというふうに思いますけれども、これは、戦前の農村や農業へのトラウマから、農地の所有形態についてですとか、自作農主義といいますか、農業経営の方針に関しても相当神経質な政策運営がとられてきたということもあるというふうに思います。
 今、若者の意識変化の中で、農業に関する意気込みは非常に上がってきていますし、営農希望者もふえているというふうにお聞きをしていますけれども、まだまだ、十八歳の時点ですとかまた二十代の若い時点で職業選択をするときに、ほかの職業と同等に農業を考えるというまでの環境には至っておりません。もしも職業としての農業選択が他の産業と同様の意識の中で若者の中から選択をされるようになってくれば、現在の担い手不足の問題というのは相当解決をされるのであろうというふうに思います。そういった一環もあって、農業法人等の取り組みも行われているわけであります。
 今回、法案改正の中で、新たに就農支援資金の対象を農業法人まで広げるという改正がございました。このことが新規の就農者の促進に関してどの程度のどのような影響を与えるのか、また、農地を取り囲んでいる就農への壁というべきものに関して、また取り除くためのさまざまな施策に関して、お考えがあればお聞きをしたいというふうに思います。
中村参考人 お答えを申し上げます。
 私ども全国農業会議所は、十五年ほど前から新規参入者の相談を受けておりますが、先ほど先生が御指摘になりましたように、意識が大分変わってまいりまして、一般の職業選択と同様に農業を選択してくるというふうに変わってきていると思っております。
 いずれにしましても、ただ資金や金を持って入れないという問題がございまして、とりあえず収入を得ながら農業法人への就業をしたいという希望者が非常に多くなってきております。一方、農業法人の方もそういう方たちを受け入れていきたいという、今両方のニーズが一緒になっているということだろうというふうに理解しておりまして、うちの調査によりますと、平成九年から十三年度までに、五百四の法人で千二百七十名が就業をいたしております。
 大変注目をされておりますが、ただ、農業生産法人も体力の強い法人だけではございませんでして、経営者の意見を聞いておりますと、農業経営者を育てるのは飛行機のパイロットを育てるのと同じように時間と金がかかるというふうに表現をしておりまして、また我々もそういうふうに理解をしておるところでございます。
 したがいまして、今回の追加措置につきましては、大変いい方法ではなかろうかというふうに理解をしているところでございます。
松野(博)委員 佐野参考人にお聞きをしたいと思いますが、先ほど、農業従事者になるためには農家に生まれるしかないという話をしましたけれども、実はもう一つ方法がありまして、農家に嫁に行くという方法もあるわけでありますけれども、これも非常に難しい問題でありまして、私の同級生で農業をやっている人間の最大の悩みは、嫁がいない、嫁が来ないということであります。
 女性の場合は、農業従事者としての大変さもあると思いますし、佐野さんの資料の中にもありましたとおり、農村の中で若い女性が溶け込んで生きていくというようなライフスタイルの問題等々もあると思います。
 特に女性層に農業に関する意識を高めていただく、また就農への希望を持っていただくために、どういった施策が考えられるか、お話をいただければというふうに思います。
佐野参考人 先生にお答えいたします。
 これまでに、農業委員会組織として、女性の農業委員の登用について、申し合わせとかそれから農業者への啓蒙活動などの運動を展開してまいりました。特に、議会推薦の農業委員については、市町村長や議会に女性農業者の推薦を働きかけてまいりました。その結果、統一選挙のたびに女性の農業委員が大幅にふえております。こうした運動展開による環境づくりを、まず現在の農業委員会が先頭に立って推進していくことが大事だと思っております。特に、公選による選挙委員としての立候補を促していきたいと考えております。
 それからもう一方は、議会推薦の選任委員については、先ほど申し上げましたように、市町村合併等でブレーキがかかるのじゃないかと心配しております。農業委員会、女性農業委員は、最低二人以上を数値目標と定めるという思い切った施策も必要かと思います。
 それから、役割については、女性だからどうかということではなく、男性と同様に、農地行政とか執行を初めとしてしっかりとした仕事をしなければなりません。ただ、今日の課題となっている食の安全とか安心、食農教育は女性として感性や行動が大いに発揮できますので、この辺も検討をお願いしたいと思います。
松野(博)委員 ぜひ、女性の農業委員会での活躍が拡大をしながら、女性全般の農業に対する意識の拡大に結びついていただきたいというふうに思います。
 高橋参考人にお聞きをしたいと思います。
 参考人のお話の中で、農政改革の大きな流れというのは国から地方への農政改革ということなんだというお話がありました。
 今回、農業改良助長法の一部を改正する法律案という中で、地方に普及事業の自由裁量権を拡大していく、そういう大きなポイントがあります。行政上考えれば、国から地方へ移管する、自由裁量権を拡大するということはメリットがわかりやすいわけでありますけれども、これが、利用者、農業普及事業を利用する立場から、国から地方へ自由裁量権が拡大をしていくことでどういうベネフィットがあるのか、そのことをお話しいただきたいと思います。
高橋参考人 お答えいたします。
 国の施策を、例えば普及職員、指導員を通じて農家に伝達するというような意味から、一定の協同普及事業の仕事があろうかと思います。しかし、現実に地域の農業を動かしているのは、国の農政だけではなくて、都道府県の固有の農政、しっかりした市町村の場合には市町村固有の農政がかなり有効に機能していると思います。そういう意味で、国の農政を伝達するという意味では協同普及事業の対象になるけれども、都道府県農政あるいは市町村農政の伝達は、そういった都道府県固有の農政の中で展開するというふうに理解しております。
松野(博)委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。