憲法調査会
日本国憲法に関する件

平成17年02月03日(木曜日)

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松野(博)委員  自由民主党の松野博一であります。
 現在の象徴天皇制度は、日本国憲法の基本原則との調和を目指して存在をしているとの指摘がありますけれども、もちろんそういった側面もあると思いますし、私自身も、象徴天皇制の形が日本にとって望まれる天皇制のあり方であるというふうに認識をしておりますが、その一方で、憲法における天皇の地位というのは、極めて特殊な地位として規定をされている、特例であるとされているわけであります。
 先ほど来議論がありましたとおり、世襲による天皇制度といいますのは、生まれによる差別を認めない、それとは相入れないものでありますし、一般国民に認められております基本的人権も天皇には認められていないという点が挙げられると思います。
 また、憲法に規定されている天皇とはという問題、天皇制の意味、地位の問題でありますけれども、日本の皇室が長くその皇統を保ち、権力でなく権威で日本国民の中にあったということの本質には、宗教的要素と言うと言い過ぎかもしれませんが、宗教的情緒ということがその天皇制を構成する一つにあったということは否定できないことであろうかというふうに思います。
 そういった考えからも、憲法に規定をされている天皇の地位というのが、天皇陛下お一人の地位というよりも、天皇制にまつわるさまざまな宮中行事、伝統的な行事や慣習、行為と結びついて存在をしている、これを切り離しては考えられないものではないかというふうに思いますし、現状の憲法の天皇に関する規定も、当然、それらの伝統的宮中行事等々も含めて、パッケージで特例として認めているものだというふうに私は理解をしております。
 そこで、例えば皇室祭祀に関して、公あるいは公務員が関与をするということが政教分離の原則に反する疑いがあるということも挙げられておりますけれども、こういった天皇制にまつわるさまざまな憲法上の特例から考えますと、これはもっと広範囲に認められてもいいのではないかなというふうに個人的には考えております。
 また、皇位継承の問題でありますけれども、皇室典範の問題でありますが、結論的には、皇位継承の安定性から女系天皇を認めるべきだという考えであります。しかし、女性天皇、女系天皇を認めた上で、第一子相続とするか男子優先とするか、直系、また他の宮家との皇位継承権の問題等々は、さらに検討の余地があろうというふうに考えております。
 ここで、女性天皇の議論で、よく、男女平等の原則であるとか男女共同参画社会の時代的な流れであるとかというようなことが挙げられますけれども、先ほど来申し上げ、また先生方からも議論がありましたとおり、天皇制というのは、現行憲法の基本原則から離れて、極めて特殊な例として規定されているものでありますから、この継承権の議論に関しましても、男女平等議論とは離れて、他のさまざまな要素を踏まえた上で議論を詰めていくべきであろうというふうに考えております。
 以上です。