流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律案
平成17年7月8日(金曜日) 国土交通委員会
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| 橘委員長 | これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松野博一君。 |
| 松野(博)委員 | おはようございます。自由民主党の松野博一でございます。 本日の議題であります物流総合効率化法について質問をさせていただく前に、冒頭、きのうロンドンにおいて発生をいたしました地下鉄及びバスの爆破事件について質問させていただきたいというふうに思います。 まことに卑劣、悲惨なテロであります。亡くなられた方の御冥福を心からお祈りするとともに、おけがをされた方や御家族に対しお見舞いを申し上げる次第でございます。こういった悲惨な、卑劣なテロに関しては、国内はもちろん、各国連携をして毅然として対応していきたい、そういう思いを、この国土交通委員会、委員の皆様とともに誓いを新たにしたいと思っております。 今回のテロは、都市交通をターゲットにしたテロであります。こういったテロに関しまして、同様の危険性というのは当然日本においても発生をする可能性が高いわけでありますけれども、こういったテロ対策に関して、国土交通省としてどういう対応をとっているのか、そのことについて質問させていただきたいと思います。 |
| 岩井副大臣 | 昨日、ロンドンで複数の地下鉄及びバスに対する爆破テロが発生したところでございますけれども、このような卑劣なテロ行為は断じて許されるものではありません。私も強い怒りを覚えるものでございます。亡くなられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被害者の方々に対しまして心からお見舞いを申し上げたいと存じます。 今回のテロ事件を受けまして、国土交通省におきましては、昨日、鉄道事業者及びバス事業者、そして航空事業者並びに空港管理者に対しまして、本事件の発生についての観点から注意喚起をさせていただきました。あわせて、テロ対策につきまして徹底するよう緊急に指示をしたところでございます。 これまでも、国土交通省におきましては、陸海空の交通機関や重要施設におきまして、テロ対策の強化、徹底を図ってきているところでございますけれども、今後、本事件の原因の究明等を踏まえながら、必要があればさらなるテロ対策の実施につきまして検討してまいりたい、我が国でこのような事件が起こることがないように、関係各省とも連携いたしまして、我が省としてもテロ対策の実施に万全を期してまいりたい、そのように考えておるところでございます。 |
| 松野(博)委員 | ぜひ、万全の警戒態勢、対応をとっていただきたいというふうに思います。 それでは、物流総合効率化法について質問させていただきたいと思います。 日本の国際競争力を議論するときに、一つのウイークポイントとして挙げられるのが、物流の高コスト体質であります。また、日本の物価が高くて生活がしづらいというような話もあるわけでありますけれども、その一つの原因も、やはり物流のコストの高さにあるというふうに言われております。 この物流コストの引き下げや効率化に対しては、重要課題として取り組んでいく、このことはもう既に意見が集約をされているところでありますけれども、一方で、日本の物流分野の技術、制度、インフラ整備のおくれも指摘をされているわけであります。 また、運輸、倉庫業等を含めた物流分野といいますのは、GDPにおいても、八・五%、約四十二兆円を占める大きな一大産業でありますけれども、企業数、企業構成で考えると、大半が中小企業から構成をされている分野でもあります。このことから、必要な技術革新やインフラ整備等も、設備投資また各社間の連携が大変難しいという、そういった状況を持つ業界でもあります。 これらの点から、物流技術のイノベーション、効率化、中小の物流関係企業の育成が非常に重要であり、急がれるわけであります。本法案に期待されるところもその点であるかと思いますけれども、この視点から何点か質問させていただきたいというふうに思います。 最近の物流の実態を見ると、荷主の物流業務について、輸配送、保管、流通加工をそれぞれが個別に請け負うのではなく、これらをまとめて受託して効率を図ることで荷主の物流コストを低減する、サードパーティー・ロジスティックス、3PLと言われる形態が徐々にふえてきております。 3PLは、物流効率化による物流コストの低減効果のほかにも、拠点の集約化や在庫管理の徹底を通じて、輸配送の合理化等によって、CO2の問題も含めて環境負荷の低減効果も有する、こういうふうに考えられます。 このように、3PLを推進することでさまざまな効果が期待ができることから、国としてもこの分野に積極的に取り組むべきというふうに考えておりますけれども、我が国における3PLの現状と、国土交通省がどのようにこの問題に向けて取り組んでいるか、このことを質問させていただきたいと思います。 |
| 春田政府参考人 | お答え申し上げます。 今御質問いただきました3PL、いわゆるサードパーティー・ロジスティックスという取り組みでございますけれども、このサードパーティー・ロジスティックスという取り組みにつきましては、一九九〇年代に米国でこういう取り組みが登場したということで、内容的には、荷主に対しまして効率的な物流のシステム構築を提案するということで、今先生御指摘のとおり、輸配送、保管あるいは流通加工、こういった流通業務を包括的に受託しまして総合サービスを提供する、こういう事業でございます。 こういう事業がいわゆる発展してきた背景といたしましては、荷主の企業がみずからのコア業務に、営業であるとかそういったところに経営資源を集中させるということで、その一方で、物流業務についてはまとめてサードパーティーの事業者に委託をする、こういったことが背景にあろうかと思います。 近年、我が国におきましても、実はいろいろな状況変化がございます。一つは、規制緩和というようなことで、いろいろな事業の分野というものが割と比較的事業に参入しやすくなるというようなことがございます。それから、在庫管理の徹底ということが荷主のサイドからも非常に強く求められるということ、あるいは消費者のニーズも非常にきめ細かくなっておりますので、そういうものにも対応していくということで、そういう意味で、サードパーティー・ロジスティックスの事業にアウトソーシングというようなことは我が国においても相当いろいろな事例が出てきている、こういう状況でございます。このことはまた、こういう取り組みを通じまして、地球温暖化問題、こういったものにも非常に有効であるということになってございます。 もともとこういう取り組みというのは民間の事業者の自由な取り組みという中で発展していく、そういう性格のものでございますけれども、やはり我が国の産業について国際競争力というようなことが強く叫ばれるというような情勢、あるいは京都議定書の発効に伴いますところの地球温暖化問題、こういった取り組みの緊急性もございますので、政府といたしましても、こういうサードパーティー・ロジスティックスの取り組みが進むということにつきまして支援策を充実させる必要があるだろうというふうに考えております。 この提案させていただいております法律案の中で、そういう支援策といたしまして、サードパーティー・ロジスティックスを進める上での拠点の施設整備、こういったものにつきまして、事業のいろいろな手続がございますが、こういったものを一括の取得ができるとか、あるいは税制の特例が講じられるとか、あるいは資金の融資というようなことでの支援措置ということで積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。 |
| 松野(博)委員 | 本法案におきましては、倉庫業、貨物自動車運送事業、そして貨物利用運送事業の許可、登録の一括取得制度が措置されているわけでありますが、これらは総合物流業に進出をしていく荷主の物流業務の包括受託を検討している事業者にとっては重要な支援措置であろうというふうに思います。 現状として、複数の物流事業許可、登録をあわせて取得する事業者はどの程度存在をしているのか、また、そうした実態を踏まえた本法案による認定件数についてどういう見込みを持っているかについてお聞きをしたいと思います。 |
| 春田政府参考人 | ただいまのお尋ねでございますけれども、いわゆる物流事業で複数の事業をあわせて行うということで、いろいろな手続をとる必要があるということになります。 そういったいろいろな事業を重ねて行うというような実態でございますけれども、実は倉庫業というのが保管の関係で一つ機能してございまして、それにトラック運送事業でありますとか、あるいは利用運送事業といったようなものを兼ねて行うという形が割と広く見られるということで、実態調査をしてみましたところ、倉庫業に新規参入をした事業者百三十六社を対象に調査をいたしましたところ、その六割が実はトラック運送事業を行っておられる方でございました。 残りの四割の方は、商社とか卸売業ということで、物流業以外の方面から新たに倉庫業を営まれるということでありましたが、そのうちの三分の一の十六社の事業者の方は、実は倉庫業の登録とあわせましてトラック運送事業なりの手続も並行して取得をされるということでございまして、全体で見ますと約百三十六社のうちの七割、九十四社が複数の物流事業を兼営する、こういう実態でございました。 そういう意味では、この総合物流事業、いろいろな事業を兼ねて総合的に展開する事業というものは相当広く出てくるということではないかというふうに考えておりまして、私ども、この見通しにつきましては、平成十五年度の倉庫の関係のいろいろな登録がなされました総体件数が五百三十件ほどございますけれども、この中で、この新しい法律の要件、こういったようなものに大体当てはまる、当てはまり得るようなものを推計いたしますと、年間で百件から百五十件程度はそういう申請が出てくるのではないか、こういうふうに考えております。 |
| 松野(博)委員 | 総合物流ないしサードパーティー・ロジスティックスに進出する事業者がふえているということはわかりましたけれども、冒頭お話をさせていただいたように、物流業界というのは九割が中小事業者であります。荷主の物流業務を包括的に請け負うというのは中小事業者にとってはなかなか大変であるかと思いますが、中小企業でもこのサードパーティー・ロジスティックスというのは可能であるのか、また、現状において、中小企業であってもこのサードパーティー・ロジスティックスに進出をしている形態があればお示しをいただきたいというふうに思います。 |
| 春田政府参考人 | お答え申し上げます。 今御指摘がございましたように、中小事業者がこのサードパーティー・ロジスティックスの事業に参入するということにつきましては、確かに、資金力の問題もありますし、あるいはノウハウの蓄積というものも大企業に比べますと対応が非常に難しいというような点があるということは事実であるというふうに考えております。 ただ一方で、私どもいろいろな事例を調べさせていただきますと、中小企業にありましても、例えば輸入の衣料関係、ブランド品等につきまして、検査、納品を行った上でいわゆる国内配送をするとか、あるいは個人向けの、最近非常に発達しておりますが、通信販売関係、これをカタログとあわせて商品を配送するというような分野で、非常に専門分野の小回りのきく対応をするという中小企業の取り組みという例が最近非常に多く見られるところでございます。そういう意味では、中小企業ならでは創意工夫というものを働かせているところではないかと考えております。 ただ、冒頭に申しましたように、サードパーティー・ロジスティックス事業というようなことで総合的な物流業を展開するということになりますと、拠点になる施設の整備に多額の投資が必要とされるというようなこともございますので、中小事業者にとっては必ずしも容易な取り組みではないということが言えるかと思います。 この法律におきましては、中小企業の3PLの事業への取り組みを支援する観点から、低利融資などの支援措置、あるいは単独でこういったものに取り組むことが難しい中小事業者に対しましては、他の事業者と連携をするというような取り組みを支援する中小企業基盤整備機構、あるいは都道府県の協調によりますところの高度化の融資というようなことの支援措置を講ずるということにしているところでございます。 |
| 松野(博)委員 | 本法案の施行に伴って、中小企業流通業務効率化促進法が廃止されるということであります。これによって、従前は支援対象になかった大企業まで支援を広げることになります。しかしながら、中小企業と大企業の資金力の格差を考えると、単に支援対象を大企業に広げるというだけでなく、中小企業に対して特に厚く支援をすることが必要であるかというふうに思いますけれども、本法案の施行によりまして、中小企業に対する支援措置はどのように充実をしていくのか、この点についてお聞きをしたいと思います。 |
| 春田政府参考人 | お答え申し上げます。 この法律に基づきまして、全体的な支援措置として、事業者の企業規模にかかわらずに適用される措置といたしましては、いわゆる拠点の整備につきまして税制の特例ということを働かせる、あるいは市街化調整区域で拠点施設をつくる場合に開発許可に当たって配慮するというような支援措置がございます。また、いろいろな事業の許可とか登録をとるということが一括で手続できる、こういうような措置がございます。 あわせまして、中小企業の皆さんにとりまして、資金面の支援ということが非常に重要でございますが、この点につきましては、信用保証協会によるところの債務保証関係、これが特例的に、通常の場合に比べますと、この法律に基づく認定を受けて同額の別枠での対応、あるいは保険料率の引き下げというようなことが認められる。それから、中小企業投資育成会社によりますところのいわゆる増資の引き受け、これについても充実をするということで要件が通常の場合よりも緩和される。それから、新たに食品流通関係で、食品流通構造改善促進機構によるところの特別の債務保証というようなものが新たに創設をされるということがございます。 そのほか、中小企業金融公庫等の低利融資、あるいは、先ほども申しましたが、中小企業基盤整備機構、都道府県によるところの高度化融資、こういった支援措置を講じることにしておりまして、従来の中小企業流通業務効率化促進法と比べまして、いろいろ、中小企業組合形式に限定していた特例の要件を緩和したり、先ほど申しましたように、食品流通関係の支援を新たに加えるというような措置を設けるというようなことをこの法律の中で規定しているということでございます。 |
| 松野(博)委員 | それでは、最後にお聞きをしたいというふうに思います。 今のお答えで、中小企業に対する支援を厚くしていくということでありまして、ぜひその点に関しての充実を図っていただきたいというふうに思いますが、しかし、それだけでは、中小企業単独でこのサードパーティー・ロジスティックスという分野に取り組んでいくことはなかなか難しいという声もあります。 そこで、企業間同士の連携をどう促進していくか、その取り組みが重要でありますし、加えて、やはり資金の確保に当たっても特別な配慮が必要ではないかというふうに考えますが、本法案の中小企業による連携、共同化というのは具体的にはどういうような形態を指しているのか。また、そうした形態による事業の実施に関してはどのような支援措置が用意されているのかについて質問させていただきたいと思います。 |
| 西村政府参考人 | 本法案につきましては国際競争力の強化、環境負荷の低減等を図るものでございますけれども、中小物流事業者にとりましても、こうした観点を踏まえました物流効率化を推進していくことが重要と考えているところでございます。しかしながら、御指摘にございましたように、中小企業者が単独ではこうした取り組みを行うことはなかなか困難でございますため、本法におきましては、中小企業者相互の協力によります物流効率化への取り組みも支援対象といたすこととしておるところでございます。 御質問にございました連携または共同化という形態でございますけれども、共同化に関しましては、これまで中小企業流通業務効率化促進法でも支援対象といたしておりました法人格を有します中小企業の組合形態によるものを指しているところでございます。また、連携につきましては、法人格を持たない形態による中小企業同士の連携形態、いわゆる任意グループの形態を指しているところでございます。 また、これらの形態によります事業の実施に当たりましては、新たに中小企業者の連携形態によりまして設置される物流効率化施設につきましても、中小企業基盤整備機構及び都道府県によります高度化融資の対象とすることといたしておるところでございます。あわせまして、中小企業者の新たな連携の促進を支援いたしますため、専門家派遣などの予算措置等の支援措置を講ずることといたしているところでございます。 |
| 松野(博)委員 | 質問を終わります。 |