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松野ひろかずの政策

1.「教育」と「医療」の優先度を高める

政治の最大の仕事は、国民の活力を引き出し、社会参加を推進していくことにある。

そのために必要な要素は、「社会に参加するための基本となる知識やルールを身につけさせる教育」、「健康を維持、回復させる医療」の二つの政策分野の優先順位を高めていかなければならない。ところが、現在、主要先進国中でGDPに対する日本の総支出が最下位のグループに属している分野が「教育」と「医療」だ。

 この状況下にあって、日本の教育成果が長く国際的にもトップグループにあり、世界一の長寿社会を形成してきたのは、それぞれの現場の関係者の努力によるものだ。しかし、このところ教育成果は下がり始め、そのうえ、医療の現場は疲弊している。少子高齢化社会にあって、優秀で各世代にわたって活躍できる人材の養成は、活力ある日本を維持していく上で不可欠の要素であり、国民一人ひとりが生活の質を高め、幸せな人生を送るためにも重要だ。

 教育、医療それぞれの具体的な課題を考えれば、教育においては公立学校の学力レベルの維持、職業教育を一つの柱とした複線型教育制度の創設、大学などの高等教育の国際競争力の向上、特別支援教育の充実等挙げられる。医療分野は医師不足の解消や予防医学の推進が急務である。

 これらの問題に、財源の問題は避けて通れない。総支出は公的支出と家計からの支出からなるが、問題の性格上公的支出で賄う比率を高めるべきだと考える。国民がそれぞれの資質を十分に発揮し、しっかりしたセーフティネットの下、安心して社会参加が出来る制度は、社会のトータルコストを引き下げ経済成長にも寄与する。全体の歳入歳出の議論の中で、プライオリティをもって改革していきたい。

2.今後の最大の国内問題の一つは「雇用」

先進諸国の事例を見るに、成熟した社会において、最大の国内問題は雇用の問題となっている。平成20年8月現在、日本の失業率は4%を記録した。米国、中国等の経済にも不安定要因があり、来年に向けて日本の失業率の推移を注視していかなければならない。

また、パートタイムで働く労働者が全体の3分の1となり、正規雇用との待遇格差が問題となっている。加えて若年層の失業問題も深刻化している。今後日本においても「雇用の安定・安心・安全」や、「雇用と生活のバランス」、「職業を通しての自己実現」等の雇用問題が、主要な国内課題となっていくことは間違いない。特に日本では7割を超える労働者が、いわゆる中小零細企業で働いており、ここ何年間かの中小企業労働者の賃金は低下傾向にある。日本の雇用問題は、前述した正規雇用と非正規雇用の格差、大企業労働者と中小企業労働者との格差などを抱えている。今後の中長期の目標として、「働いている業種・規模・勤務形態等」に関わらず、社会保障や労働環境をイコールフィッティングとしていかなければならない。中小企業労働者問題は、中小企業経営問題と表裏一体であり、地域の中小企業支援策を講じながら、女性の働き方や、フリーターの就業支援、現在問題の多い日雇い派遣対策を中心に、取り組んでいきたい。

3.地方分権の推進と社会参加応援型公共事業という発想

日本の行政組織を抜本的に効率化していくためには、国から地方へと権限と財源を大胆に移譲する地方分権が不可欠である。現在、進められている道州制の議論を含め、検討を積極的に進めたい。

また、少子化の進展による労働力不足は今後の日本社会のあり方に大きな影響を与える。一方で大量の団塊の世代の退職が続く。こういった状況の中で、男性女性を問わず、各世代にわたって職業やボランティア等を通じて、社会参加をする人々の環境整備を進める社会参加応援型公共事業という発想が、必要ではないか。ボランティアやNPOが、効果的に地域の公的サービス部門(教育・保育・介護・環境保全等)に参加できる仕組みづくりを進めるとともに、特に女性の社会参加を妨げている、三つの関門といわれている「出産子育て」・「親の介護」・「夫の介護」を支援する制度の強化が必要である。幼児教育の無償化、待機児童対策、学童保育の拡充等や介護サポートの一層の充実を進めて行かなければならない。

4.持続可能な社会保障と分配のあり方の検討

低負担・低福祉の米国型か、高負担・高福祉の北欧型であれば、どちらを選ぶのかは国民の価値観によるが、低負担・中福祉の日本型は、次の世代に借金を残すことになる。少子化が進んだ次の世代には、あまりにきつい負の遺産となる。私自身は中負担・中福祉というのが日本の目指すべき方向だと考えるが、国民の判断では米国型も北欧型もありうるだろう。いずれにせよ率直に国民に持続可能なモデルを提示して、選択してもらうということが、必要だ。

もう一つの視点は、分配のあり方・対象だ。日本は子育て世代に対する支援が薄い。30代から40代は、住宅のローンを抱え教育費を払いながら生計を立てている。同窓会に行くと「自分たちの年代の生活が一番きつい」という声を多く聞く。このことは少子化の大きな要因となっている。現行のさまざまな政策の対象を生活実態やライフサイクルに合わせて見直し、年代によって支援対象を設定するのではなく、「本当に必要な人・必要な時期に必要な支援を」にシフトすることが必要だと考える。

5.安全保障と国際貢献

20世紀の後半からすでに70年以上にわたり、軍事力を行使せず平和を維持してきた数少ない国が日本だ。このことを誇りに思うと同時に、幸運に感謝しなければならない。

いっぽうで、21世紀中に大規模な紛争が起きる可能性が高い2つの地域として、中近東と私たちの住む日本を含む東アジアが挙げられている。この安全保障上の国際常識を、私たち日本人は忘れがちだ。日本を弓状に取り巻く「ロシア・中国・北朝鮮・パキスタン・インド」は核保有国となっている。私たちは日本国憲法「平和主義」を貫きながら、同時に国際社会の状況を直視し、緊張感をもって対応していかなければならない。国際関係を分析するとき、大事なことはリアリティであり、日本が国際社会において必要不可欠な国であることが、日本の安全を維持する最も重要な要因だ。そのためにも日本の国際経済における、存在感を示していかなければならないが、特に日本が期待される分野として「環境・水・食料・エネルギー」があげられる。洞爺湖サミットの主要テーマであった「低炭素社会の実現」に加え、深刻な世界的水・食料不足やエネルギー資源の枯渇等の対策に日本の技術力は、大きな貢献が可能だ。国際貢献は人道的な意味を持つだけでなく、日本の経済・安全保障など日本の生存にも必要な戦略であり、この意識を国民と共有しつつ、日本の国際貢献を進めていきたい。

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